NOVEL
「目覚めの時 第五章」
ー第1日ー
「おはようございます。」
ヤマちゃん(仮)が声をかけてきた。
「おはようございます。あのぉ~、お名前お聞きしてもいいですか。」
まぁ、一応きかなくっちゃね、などと考えて聞いたのだ、ヤマちゃんに決まっているのだが、まぁ一応ね。
「そうか、言ってなかったな。おらぁ谷田って言うんだ。タニちゃんでいいよ。」
にゃに~、ヤマじゃなくてタニだって~。どうなっとるんじゃい。
「あれ?ふもとのおじさんに聞いたらヤマちゃんがいるって言ってたよ。」
「あ~ヤマちゃんね、ヤマちゃんヤマちゃん。ヤマちゃんは先月で交代したんだ。」
「交代したって、ふもとのおじさん知らないんだ。」
「そうだなぁ、おじさんは1年くらいこっちには来てないからね。」
「だって、ここに来た人は帰りにおじさんに会ったりしないのかなぁ。」
「そうだなぁ、早めに言っといた方がいいか、帰りはそっちからじゃないんだ、別ルートでおりるんだよ。島めぐりコースはまだ始まったばかりだからね。」
そうか、やっぱりそうなのだな、だんだん隔離してなんだか怪しいことを考えているな。
「とりあえず朝御飯でも食ってよ。」
ハマチ定食である。
「なんでハマチ定食なんですか?」
素朴な疑問である。
「島めぐりコースのハマチオプションでしょ?申込書を書いたんだろ。」
なんだ?そんな申込書なんて知らないぞ。ただ御飯を食べにお店に行っただけだよ。
「オプションつけなきゃ、いろいろ出せるんだけどね。お客さん、オプション付けちゃったからしかたがないんだよね。今月はオプション初めてだよ。」
まぁ、ハマチは好きだからいくらあってもいいのだけれども、船頭さんは青ヶ島まで食べれないようなことをいってたよなぁ、あれはどうなっているんだろう。
「タニちゃん、この島まで運んでくれた船の船頭さんは、青ヶ島まで行かないと食べられないって言ってたけど、どうしてここで食べられるの?」
「そりゃ、島巡りコースだもん、ちょっと違うさ。でも、これが本物のハマチだと思ったら大間違いだよ。もっといいのがそのうち食えるさ。」
「そのうちって、何時?」
「そら~、俺は知らないよ。ここでの事しか知らないからね。」
なに~、この先の事知らない~ってどういう事よ。う~む、そうだ、そうしよう、いろいろ聞いてみよう、解らない事が多すぎる。このおっちゃんの知ってる事だけでも把握しておこう。
長い1日になりそうだ。
かといってすることは今の所何もない。逃げ出そうにも帰りが確保出来ていないのでどうにもならない。
「タニちゃん、僕はここで何をすればいいの。」
「都会の人はそれだからいかんよ。なにもしなくていいの。」
「だったら、電話とかないの?連絡取りたい所があるから。」
「電話だったらあるけど電気の関係で夕方1時間しか使えないよ。」
天の助けである。夕方1時間とは言え電話が使えるのだ。助かった。誰かに助けてもらおう。しかし、今は何もする事がない。何もする事がないのがこんなに辛い事とは思ってもみなかった。 見た目は優雅でのんびりしているけど実はがんじがらめにされている気分だ。やけになって寝ようと思ったがなかなか眠くならない。
「散歩でもしようかな。」
「それはいいが、道をちゃんと覚えて行かないと帰れなくなるよ。」
「ありがとう、タニちゃん。」
タニちゃんからおにぎりを受け取るとさっさと苦労荘を後にした。 歩いているとだんだん懐かしい気分になって来た。なんだか子供の頃遊んでいた風景が蘇ってくる。
「おはようございます。」
ヤマちゃん(仮)が声をかけてきた。
「おはようございます。あのぉ~、お名前お聞きしてもいいですか。」
まぁ、一応きかなくっちゃね、などと考えて聞いたのだ、ヤマちゃんに決まっているのだが、まぁ一応ね。
「そうか、言ってなかったな。おらぁ谷田って言うんだ。タニちゃんでいいよ。」
にゃに~、ヤマじゃなくてタニだって~。どうなっとるんじゃい。
「あれ?ふもとのおじさんに聞いたらヤマちゃんがいるって言ってたよ。」
「あ~ヤマちゃんね、ヤマちゃんヤマちゃん。ヤマちゃんは先月で交代したんだ。」
「交代したって、ふもとのおじさん知らないんだ。」
「そうだなぁ、おじさんは1年くらいこっちには来てないからね。」
「だって、ここに来た人は帰りにおじさんに会ったりしないのかなぁ。」
「そうだなぁ、早めに言っといた方がいいか、帰りはそっちからじゃないんだ、別ルートでおりるんだよ。島めぐりコースはまだ始まったばかりだからね。」
そうか、やっぱりそうなのだな、だんだん隔離してなんだか怪しいことを考えているな。
「とりあえず朝御飯でも食ってよ。」
ハマチ定食である。
「なんでハマチ定食なんですか?」
素朴な疑問である。
「島めぐりコースのハマチオプションでしょ?申込書を書いたんだろ。」
なんだ?そんな申込書なんて知らないぞ。ただ御飯を食べにお店に行っただけだよ。
「オプションつけなきゃ、いろいろ出せるんだけどね。お客さん、オプション付けちゃったからしかたがないんだよね。今月はオプション初めてだよ。」
まぁ、ハマチは好きだからいくらあってもいいのだけれども、船頭さんは青ヶ島まで食べれないようなことをいってたよなぁ、あれはどうなっているんだろう。
「タニちゃん、この島まで運んでくれた船の船頭さんは、青ヶ島まで行かないと食べられないって言ってたけど、どうしてここで食べられるの?」
「そりゃ、島巡りコースだもん、ちょっと違うさ。でも、これが本物のハマチだと思ったら大間違いだよ。もっといいのがそのうち食えるさ。」
「そのうちって、何時?」
「そら~、俺は知らないよ。ここでの事しか知らないからね。」
なに~、この先の事知らない~ってどういう事よ。う~む、そうだ、そうしよう、いろいろ聞いてみよう、解らない事が多すぎる。このおっちゃんの知ってる事だけでも把握しておこう。
長い1日になりそうだ。
かといってすることは今の所何もない。逃げ出そうにも帰りが確保出来ていないのでどうにもならない。
「タニちゃん、僕はここで何をすればいいの。」
「都会の人はそれだからいかんよ。なにもしなくていいの。」
「だったら、電話とかないの?連絡取りたい所があるから。」
「電話だったらあるけど電気の関係で夕方1時間しか使えないよ。」
天の助けである。夕方1時間とは言え電話が使えるのだ。助かった。誰かに助けてもらおう。しかし、今は何もする事がない。何もする事がないのがこんなに辛い事とは思ってもみなかった。 見た目は優雅でのんびりしているけど実はがんじがらめにされている気分だ。やけになって寝ようと思ったがなかなか眠くならない。
「散歩でもしようかな。」
「それはいいが、道をちゃんと覚えて行かないと帰れなくなるよ。」
「ありがとう、タニちゃん。」
タニちゃんからおにぎりを受け取るとさっさと苦労荘を後にした。 歩いているとだんだん懐かしい気分になって来た。なんだか子供の頃遊んでいた風景が蘇ってくる。