NOVEL
「目覚めの時 第三章」
ー飯3ー
「おいちゃん、着くまで食事とかどうするの?」
「弁当に決まってんだろ、にいちゃん。」
「弁当売ってるの?」
「こんな海のど真ん中の何処で買うんだよ、にいちゃん持ってないの?」
え~、これからどうしたらいいんだろうか、弁当なんか持ってるはずないじゃないか。しかし、おいちゃんにしてもこれから何回も食事をしなければいけないはずだ。冷蔵庫とか、何かが付いていて、その中から弁当を作って食べるに違いない。 それを分けてもらえば良いではないか。う~む、こんな簡単なことを考えるのにこんなに時間がかかっているのは自分が混乱している証拠ではないか。
「おいちゃん、おいちゃんの弁当の材料を少し分けてもらうわけにはいかないだろうか?」
「欲しけりゃ、自分で取りに行くしかにゃあよ。」
おっ、おいちゃん実は名古屋人なのか。
「どうやって取るのさ?」
「しょうがないなぁ、そういうお客さんには島めぐりのコースがあるよ。」
むむむっ、そう来たか。しかたがあるまいここは言うことをきいておこう。
「じゃあその島めぐりツアーでお願いします。」
「おっしゃぁ、じゃあ最初は九労島につけるからな。」
船はゆっくりとカーブを描いて島に向かっていく。切り立った崖ばかりの島に船着き場が見えて来た。
「この島では何を取れば良いのかな。」
「そんなことは自分で考えるんだよ、そこまで親切なコースじゃないよ。」
なんでこんなことになってしまったんだろうなどと今さらどうしようもないことを考えながら島に上陸していった。単純に無人島かと思ったら家が何件か立っているのが見える。とりあえずその一件に向かって歩いて行った。
「こんにちわ~。」
返事はない。
「こんいちわ~、誰かいませんか~。」
やはり返事はない。まいったなぁ、これじゃ定食どころか餓死しちゃうよ。誰もいなくなった島なのかなぁ。こうなったら片っ端から訪ねてみよう。
「こんいちわ~、誰かいませんか~。」
やっぱりいない。
「こんいちわ~、誰かいませんか~。」
4件目の家で反応があった。
「誰じゃ、うるさいのう。さっきからこんいちわこんいちわとそれをいうならこんにちわだろうが。」
「あれっ、なんでこんいちわなんていってたんだろう。まぁいいや、おじさんさぁ、この島って何が有名なの?」
「いきなり何を言い出すかのう、この島には有名な者は誰もいないよ。」
「そうじゃなくて、美味しい物とかそういうたぐいの物はないかなぁ。」
おじさんはめんどくさそうに縁側に出て来て山の方を指差した。
「山に行けば九労荘というのがあるでの、そこのヤマちゃんにでも聞いてみな。」
「山にのぼっていけば良いのね、ところでお水を一杯いただけないでしょうか、もう、のどがからからなのですよ。」
そういうとおじさんは思い出したように聞いて来た。
「あんた、どうやってここに来たんだい?」
「それがさぁ、ハマチ定食を食べようと思ってお店に行ったらね、なんだか船に乗らされちゃってすごい遠くに行かなきゃいけなくなっちゃったんだ。それでね、お腹がすいて寄り道してるんだよ、信じられないだろうけど。」
などとのんきにことのてん末を話したらおじさんは急に真面目な顔になって、
「じゃあ、あんた、島めぐりコースの人かい。」
なんだか悲しそうにぼそぼそと意外なことを言うのだ。
「おじさん知ってるの?そうなんだ、じゃあ同じような人前にも来たことあった?」
「あったことはあったよ。う~ん。」
う~んってなんだ。問題あるのか?どうなってるんだ。
「で、その人どんな感じだった?」
「う~ん、とにかく山に行きなよ。山に。」
「解ったよ、山に行ってみるよ、ところでお水は?」
「コースの人には何も出しちゃいけないことになってるんだ。すまないな。」
なんだと、コースの人ってそんなに大変なコースに参加してるのか?
とにかく山に行ってみることにした。
「おいちゃん、着くまで食事とかどうするの?」
「弁当に決まってんだろ、にいちゃん。」
「弁当売ってるの?」
「こんな海のど真ん中の何処で買うんだよ、にいちゃん持ってないの?」
え~、これからどうしたらいいんだろうか、弁当なんか持ってるはずないじゃないか。しかし、おいちゃんにしてもこれから何回も食事をしなければいけないはずだ。冷蔵庫とか、何かが付いていて、その中から弁当を作って食べるに違いない。 それを分けてもらえば良いではないか。う~む、こんな簡単なことを考えるのにこんなに時間がかかっているのは自分が混乱している証拠ではないか。
「おいちゃん、おいちゃんの弁当の材料を少し分けてもらうわけにはいかないだろうか?」
「欲しけりゃ、自分で取りに行くしかにゃあよ。」
おっ、おいちゃん実は名古屋人なのか。
「どうやって取るのさ?」
「しょうがないなぁ、そういうお客さんには島めぐりのコースがあるよ。」
むむむっ、そう来たか。しかたがあるまいここは言うことをきいておこう。
「じゃあその島めぐりツアーでお願いします。」
「おっしゃぁ、じゃあ最初は九労島につけるからな。」
船はゆっくりとカーブを描いて島に向かっていく。切り立った崖ばかりの島に船着き場が見えて来た。
「この島では何を取れば良いのかな。」
「そんなことは自分で考えるんだよ、そこまで親切なコースじゃないよ。」
なんでこんなことになってしまったんだろうなどと今さらどうしようもないことを考えながら島に上陸していった。単純に無人島かと思ったら家が何件か立っているのが見える。とりあえずその一件に向かって歩いて行った。
「こんにちわ~。」
返事はない。
「こんいちわ~、誰かいませんか~。」
やはり返事はない。まいったなぁ、これじゃ定食どころか餓死しちゃうよ。誰もいなくなった島なのかなぁ。こうなったら片っ端から訪ねてみよう。
「こんいちわ~、誰かいませんか~。」
やっぱりいない。
「こんいちわ~、誰かいませんか~。」
4件目の家で反応があった。
「誰じゃ、うるさいのう。さっきからこんいちわこんいちわとそれをいうならこんにちわだろうが。」
「あれっ、なんでこんいちわなんていってたんだろう。まぁいいや、おじさんさぁ、この島って何が有名なの?」
「いきなり何を言い出すかのう、この島には有名な者は誰もいないよ。」
「そうじゃなくて、美味しい物とかそういうたぐいの物はないかなぁ。」
おじさんはめんどくさそうに縁側に出て来て山の方を指差した。
「山に行けば九労荘というのがあるでの、そこのヤマちゃんにでも聞いてみな。」
「山にのぼっていけば良いのね、ところでお水を一杯いただけないでしょうか、もう、のどがからからなのですよ。」
そういうとおじさんは思い出したように聞いて来た。
「あんた、どうやってここに来たんだい?」
「それがさぁ、ハマチ定食を食べようと思ってお店に行ったらね、なんだか船に乗らされちゃってすごい遠くに行かなきゃいけなくなっちゃったんだ。それでね、お腹がすいて寄り道してるんだよ、信じられないだろうけど。」
などとのんきにことのてん末を話したらおじさんは急に真面目な顔になって、
「じゃあ、あんた、島めぐりコースの人かい。」
なんだか悲しそうにぼそぼそと意外なことを言うのだ。
「おじさん知ってるの?そうなんだ、じゃあ同じような人前にも来たことあった?」
「あったことはあったよ。う~ん。」
う~んってなんだ。問題あるのか?どうなってるんだ。
「で、その人どんな感じだった?」
「う~ん、とにかく山に行きなよ。山に。」
「解ったよ、山に行ってみるよ、ところでお水は?」
「コースの人には何も出しちゃいけないことになってるんだ。すまないな。」
なんだと、コースの人ってそんなに大変なコースに参加してるのか?
とにかく山に行ってみることにした。